2012年07月31日

禁煙にチャレンジ その13

心の依存は長く残りやすい

イライラなどの離脱症状は、禁煙を始めて1週間ほどで治まってきます。

しかし、心の依存は、数ヶ月〜数年間残り、人によっては10年経ってもなくならないことがあります。

また、ニコチン依存には、「禁煙補助薬」が有効ですが、心の依存に薬は効かず、記憶を消すことも出来ません。








2012年07月29日

禁煙にチャレンジ その12

◆心の依存の強さ

タバコをやめられないのは、主にニコチン依存の為なのか、心の依存の為なのかは、朝起きてからタバコを吸うまでの時間で、ある程度判断できます。

起床時には体内のニコチンが最も少なくなっており、「起きてすぐ吸う」「5分後くらいに吸う」という人は、ニコチン依存が強いといえます。

「1時間以上たってから吸う」という人は、ニコチン依存より心の依存が強いと考えられます。






2012年07月27日

禁煙にチャレンジ その11

◆1本吸えば、元の喫煙者に逆戻り

タバコを吸いたくてたまらなくなった時、「1本だけなら問題ない」と思う人が多くいます。

ところが、1本でも吸うと、自分の意思とは関係なく脳がニコチン依存の状態になり、元の喫煙者に逆戻りしてしまいます。

タバコを吸い始めてから、ニコチン受容体ができるまでに、個人差はあるものの、大人では一般意1年程度かかります。

ニコチン受容体は、禁煙しても消えるわけではありません。“不活性化”するだけですから、僅か1本のタバコでも再び吸えば、直ちに活性化してニコチン依存の状態になってしまうのです。







2012年07月25日

禁煙にチャレンジ その10

◆心の依存と禁煙

禁煙が難しいのは、タバコのよって「ニコチン依存」だけでなく、「心の依存」が起こるからです。心の依存では、過去の記憶から“吸いたい”という気持が生じます。

例えば「気持が落ち込んだ」「仕事が上手くいかなかった」など、辛いことがあったときに「タバコを吸って乗り越えた」という記憶があると、同じような状況になったとき、その記憶がよみがえり、タバコを吸いたくなります。

また、「綺麗な景色を眺めた」「子供が受験に合格した」など、うれしい出来事に「タバコが美味しかった」という記憶が付随している場合にも、うれしいことがあると、やはりタバコを吸いたくなります。

なかには、「ジャズ」「コーヒー」「タバコ」の3つが1セットになって記憶に刻み込まれ、「ジャズを聴くと吸いたくなる」「コーヒーを飲むと吸いたくなる」というような人もいます。






2012年07月23日

禁煙にチャレンジ その9

◆家族の手助け

小さな子供や孫などから“タバコをやめて”と言われると、喫煙者の気持は禁煙へと傾くものです。

また、受動喫煙防止などの理由で、「家の中では吸わない」というルールを設けると、家の外に出て喫煙するのを“格好が悪い”“馬鹿らしい”と感じるようになることがあります。

家族は、そのような機会を捉えて、禁煙外来で支援を受けられることや、禁煙補助薬が有効であることを伝えましょう。







2012年07月21日

禁煙にチャレンジ その8

◆酒席での工夫

酔うと自制心が働かなくなり、ついタバコに手を出してしまいがちなので、酒席はできるだけ避けます。

避けられない場合には、「飲み物はアルコールを含まないものにする」「両隣に非喫煙者に座ってもらう」などの工夫をします。

吸いたくなったときに備えて、ニコチンガムやニコチンパッチを持参するのもよいでしょう。







2012年07月19日

禁煙にチャレンジ その7

◆吸いたくなったときの工夫

薬を使っていても、タバコを吸いたくなる時があります。吸いたいという気持は1分間程度しか続きませんから、次のような工夫で気持を紛らわせましょう。


・氷水や熱いお茶を少しずつ飲む
冷たい刺激、熱い刺激で気をそらします。

・ボールペンで手のひらをつつく
軽い痛みの刺激でタバコを忘れます。

・歯ブラシをくわえる、噛む
口に刺激を与え、口寂しさを紛らわせます。

・体を動かす
軽い体操や歩行などで、気持が落ち着いてきます。







2012年07月17日

禁煙にチャレンジ その6

◆禁煙補助薬の効果

禁煙外来で禁煙補助薬を利用して禁煙に挑戦した人では、3ヶ月間の治療が終わった時点で、10人中およそ8人が禁煙に成功しています。

禁煙に成功した人からは、“喫煙が馬鹿らしくなった”、“タバコを買うのが面倒”などの声が聞かれます。







2012年07月15日

禁煙にチャレンジ その5

◆禁煙補助薬を使いたいとき

市販薬の禁煙補助薬は、薬局の薬剤師の指導を受けて使います。

一方、処方薬は、禁煙外来を受診し、医師の指導を受けて使います。禁煙外来では、禁煙について相談することも出来ます。

禁煙外来は、内科のほか、小児科、外科など、様々な診療科の医師によって開設されている事もありますので、かかりつけの医師などに紹介してもらうとよいでしょう。

なお、ニコチンには血管を収縮させる作用があるため、心筋梗塞や脳梗塞を起こして間もない人は、ニコチンが含まれるニコチンガムとニコチンパッチは使えません。








2012年07月13日

禁煙にチャレンジ その4

禁煙の方法

離脱症状を軽減し、禁煙の継続に役立つのが、禁煙補助薬です。

禁煙補助薬には、口に含む「ニコチンガム(市販薬)」、貼り薬の「ニコチンパッチ(市販薬と処方薬)」、のみ薬の「バレニクリン(処方薬)」の3種類があります。

ニコチンガムとニコチンパッチには少量のニコチンが含まれていて、それを体内に入れることで、離脱症状と吸いたい気持を和らげます。

タバコを吸うと多量のニコチンが急激に体内に入りますが、これらの薬は、少量のニコチンが徐々に吸収されるので、ニコチン依存を助長することはありません。

また、タバコには多くの有害物質が含まれますが、これらの薬にはニコチン以外の有害物質は含まれていないので、タバコより安全性が高いといえます。

ただし、これらの薬を使いながら喫煙すると、ニコチンをとりすぎるため、薬の使用中は喫煙してはいけません。

バレニクリンは、「ニコチン受容体」に結合する薬です。ニコチンが受容体に結合するのを妨げると同時に、少量のドパミンを分泌させる為、離脱症状が起こりにくくなります。

のみ始めてから効果が出るまでには1週間ほど掛かります。その間は喫煙したくなるかもしれませんが、その後はタバコを吸っても
美味しく感じられなくなります。