2012年08月21日

慢性疲労症候群 その2

慢性疲労症候群の原因とは

慢性疲労症候群の原因はまだ明確にはわかっていませんが、次のようなことが関わっていると考えられています。


・感染症

慢性疲労症候群は、ウイルスなどの感染症の発症後に起こることがあります。

海外では、「筋痛性脳脊髄炎(ME)」と診断して治療が行われており、原因となるウイルスの特定が精力的に行われています。

しかし日本では、筋痛性脳脊髄炎を示す根拠がまだ見つかっていない為、現在は「感染後慢性疲労症候群」と診断されています。

日本の患者さんの約3割は、インフルエンザウイルスやヘルペスウイルスのどの感染をきっかけに発症しています


・生活環境ストレス

過重労働などの肉体的ストレスや、人間関係などで生じる精神的ストレス、また家庭や職場の建材などの化学物質や騒音などの環境ストレスが慢性疲労症候群の発症に関係していることがあります。

生活環境ストレスが続くと、体をウイルスや細菌から守っている「免疫」の働きが低下します。

体内には以前に感染した様々なウイルスが潜んでいて、普段は活動が抑えられていますが、免疫の働きが低下すると再び活動を始めます。ウイルスの「再活性化」が起こるのです。

このウイルスの再活性化を抑え込もうと、体内では免疫物質がたくさん作り出されます。これが脳に悪影響を与えたり、神経・内分泌・免疫の働きのバランスを崩したりします。

その結果として脳の機能に異変が起こり、激しい疲労や様々な症状が引き起こされます。


感染症から始まった場合も、ウイルスそのものが悪さをしているのではなく、体内で作られた免疫物質が脳に悪影響を与えている可能性が考えられます。