2012年09月07日

睡眠時無呼吸症候群 その5

睡眠時無呼吸症候群の弊害 その2

・命に関わる合併症を引き起こす

これまでの研究で、無呼吸によって起こる「酸素飽和度(血液中の酸素と結合したヘモグロビンの割合)」の低下が、健康に悪影響を及ぼすことがわかってきました。

正常な酸素飽和度は98%前後です。これが重い肺の病気などで90%以下になると。「呼吸不全」と診断され、酸素を補う治療が必要になります。

ところが、睡眠時無呼吸症候群で呼吸が1分ほど止まると、酸素飽和度は50〜60%になります。この数値は非常に重症で、直接的に生命に危険が及ぶ状態なのです。

幸い睡眠時無呼吸症候群の場合は呼吸が再開するので、酸素飽和度はすぐに回復します。しかし、短時間でも低酸素状態が一晩に何回も、しかも毎晩起こるのですから、体には大きな負担になります。

その影響を特に受けやすいのが循環器系です。

睡眠時無呼吸症候群をほうっておくと、高血圧、心筋梗塞、不整脈、脳梗塞などの発症リスクが高まることが報告されています。

また、最近は、糖尿病との関連性も指摘されています。こうしたことから、睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病の大本になっているのではないかとも考えられています。