2010年12月15日

アスタキサンチンの自然的価値

アスタキサンチンは、単なる色素というわけではありません。抗酸化作用の高い色素物質です。
それが何を意味するのかというと、そのアスタキサンチンを含んでいる生物は、その抗酸化作用の恩恵を受けるということになります。

例えば、鮭。

鮭は川や海で微生物等のエサを食べますが、そのエサにアスタキサンチンが含まれているため、非常に豊富なアスタキサンチンを体内に摂取しています。そのため身が赤くなって、さらに卵であるイクラの身をも赤くしています。

この赤みに関しては、取り立てて彼らにメリットがあるわけではありません。メリットがあるのは、抗酸化作用です。

鮭は川で生まれますが、育つのは海です。川を下っていき、海で暮らし、その海から再び川へと上っていき、その川で産卵を行うという、珍しい魚です。

鮭は、海から川へ戻る際、当然ですが流れに逆らうことになります。流れに逆らって泳ぐというのは、人間であっても相当体力を消費します。

いくら鮭といえど、そう簡単にできることではありません。しかも、川は浅瀬になっているところも多く、そこに出てしまうと魚の天敵ともいえる太陽光線が待っています。そこで力尽きる鮭も多いのです。

そんな中、その太陽光線から身を守ってくれるのが、アスタキサンチンだったりします。抗酸化作用の賜物です。

同時に、アスタキサンチンにはエネルギーとなる要素も含まれているので、急流や逆流にもまれても力尽きずに川上までたどり着けるのも、アスタキサンチンのおかげかもしれません。

このように、アスタキサンチンは自然界において大きな役割を担っています。