2011年12月05日

高齢者とアルコール依存症 その3

“年をとったら酒に弱くなった”“昔のようにたくさん飲めなくなった”という声をよく耳にしますが、実際に加齢とともに体にも変化が起こって、若いころよりも酔いやすくなっています。

酔いやすさには、肝臓の大きさや働き、そして体内の水分量が関わっています。

アルコールは肝臓で分解されますが、年をとると肝臓の働きが低下するので、大量に飲酒するとアルコールの処理に時間がかかるようになります。すると、血液中に多くのアルコールが残ってしまいます。

また、加齢に伴って体内の水分量も減少してくるため、少ない水分にアルコールが溶けることになります。つまり、高齢になると、「血中アルコール濃度」が高くなりやすい体質に変化するのです。

さらに、理由はよく分かっていませんが、加齢とともに脳のアルコールに対する感受性が高くなります。これは、若いころと同じ血中アルコール濃度でも脳が影響を受けやすくなる、つまり酔いやすくなるということです。