2011年02月05日

大腸がん

死亡者数が増えているが、早期発見で治る可能性が高い

大腸がんを発症する人や、大腸がんによる死亡者数は年々増えています。がんによる死亡者数のうち、大腸がんは第3位、女性の死亡者数では大腸がんが第1位となっています。
(厚生労働省「人口動態統計」平成20年のデータ)

大腸がんを発症するリスクには、遺伝的要因に加えて、肥満や飲酒、食生活の欧米化などの環境的要因があります。

大腸がんは「直腸」や「S状結腸」に発生することが多く、がんの進行度によって0期からW期までの5つの段階に分けられます。
(下記参照)


大腸がんの進行度

大腸の壁は5層からなり、大腸がんは最も内側にある粘膜に発生して、外側へ広がりながら進行します。がんの進行度によって、0〜W期までの5段階に分けられます。

・0期
がんが大腸の粘膜にとどまっている

・T期
がんが大腸の粘膜下層または固有筋層にとどまっている

・U期
がんが大腸の固有筋層を越えて広がっている

・V期
がんの深さに関係なく、リンパ節転移がある

・W期
ほかの臓器への転移がある。がんが大腸のしょう膜を越えておなかの中に散らばっている(腹膜播種)

※0〜U期にはリンパ節転移のあるものは含まれません



大腸がんは、早期に発見して治療を受ければ治る可能性の高いがんです。

大腸がんの症状が現れるのは、がんがある程度進行してからで、がんの場所によって症状は異なります。

S状結腸や直腸にできたがんでは、「便が出にくい、細くなる」「血便が出る」「肛門に違和感がある」「便秘と下痢を繰り返す」などの症状が起こります。

上行結腸や横行結腸にできたがんでは、「腹部のしこり」や「貧血」などが生じます。