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最も困っている症状に対し、効果の高い漢方薬を選択する

漢方薬は、「睡眠障害」「イライラする」「神経質」「憂うつ」「意欲がわかない」「くよくよする」「不安感がある」などの症状に対して、特に有効です。

漢方薬には、ホルモン補充療法のようなエストロゲン作用はないと考えられています。

漢方薬が更年期障害の心の症状に効果がある理由は、まだ詳しくはわかっていません。長い年月で積み重ねられた経験から淘汰されてきたのが漢方薬ですが、最近１０年ほどの研究で科学的根拠も増えてきています。


◆よく用いられる漢方薬

よく用いられるのは、「加味逍遙散（かみしょうようさん）」「加味帰脾当湯（かみきひとう）」「半夏厚朴湯（はんげこうぼくとう）」「抑肝散（よくかんさん）」「十全大補湯（じゅうぜんたいほとう）」などです。

これらを症状によって使い分けています。まずは最も困っている症状に照準を合わせて、薬を選択し、服用します。１日２〜３回、食前や食間に服用するのが一般です。

漢方薬が十分な効果を示すようになるまで、およそ４〜８週間程度かかります。その期間服用を続けても十分な効果がみられなければ、ほかの薬に替えてみます。

様々な心の症状が複数現れている場合、多くは「加味逍遙散」を選択しています。神経質やイライラなどの神経の高ぶりに効果がある一方、不安や抑うつ症状、睡眠障害などにも効果があるためです。

加味逍遙散の“逍遙散”とは、８種類の生薬を合わせた１つの独立した薬です。“逍遙”とは、ぶらぶら歩きという意味で、様々に移り変わる症状に効くという意味合いで、この名前が付けられています。

この逍遙散に、牡丹皮と山梔子を“加味”したものが、加味逍遙散です。

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