2011年04月17日

更年期の体の症状に対する漢方薬

三大漢方婦人薬のほか十全大補湯なども使われる

◆三大漢方婦人薬が用いられる

体の症状に使われるのは主に、「三大漢方婦人薬」です。体の症状に対しては、それぞれ次のような効果があります。


◎当帰芍薬散
・効果が出やすい症状:動悸、興奮、憂うつ

◎加味逍遙散
・効果が出やすい症状:神経質、イライラ、不安感

◎桂枝茯苓丸
・効果が出やすい症状:睡眠障害、無気力、めまい

詳しくは、「更年期障害に使われる三大漢方婦人薬」を参照してください。


◆十全大補湯が使われることもある

漢方には患者さんを、がっちりとした体型で赤ら顔のタイプ、やせ型で顔が青白いタイプ、その2つの中間のタイプの3つに分けて診断し、処方を考慮する考え方があります。

更年期外来を訪れる患者さんでは、がっちりとした体型で赤ら顔のタイプの人は少なく、やせ型で顔が青白いタイプや中間のタイプの人が多いようです。

やせ型で顔が青白いタイプの人には、漢方の考え方に基づいて、体力不足と判断し、基礎体力を強化するために使われる「補剤」と呼ばれるタイプの漢方薬を処方することがあります。

代表的な補剤が、「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」です。

この薬は、10種類の生薬を合わせたもので、“うつろになったものを十分に補う”という意味でこの名前が付いているといわれます。

もともとは、病気の後の気力低下や全身の倦怠感を改善する目的でよく用いられていました。この十全大補湯は、更年期の個別の症状にも効果があることが分かっています。