2011年06月19日

スイカの種飲むと盲腸になる?!

「スイカやブドウの種を飲み込むと盲腸になる」という話、聞いたことある人は多いと思いますが、これってウソ? ホント?

「ちまたで『盲腸』と呼ばれている『虫垂炎(急性虫垂炎)』は、盲腸の先の突起部分『虫垂』が炎症を起こしたもの。『虫垂』は草食動物であったなごりで、ヒトでは数センチに退化しています。虫垂炎の原因は不明ですが、糞石(ふんせき)といわれる食物のカスが虫垂にたまったりすると血行障害を起こし、そこに細菌やウイルスが感染することで炎症を起こすという説があります。ただし、種を飲みこんだからといって、種が原因で虫垂炎になることはありません。虫垂炎で切除した虫垂にスイカの種があったことはありません」

と、とある病院の先生は答えています。

ちなみに、「急に右の下っ腹が痛くなった」→「盲腸?」と疑う人が多いのですが、これも実際には違うということです。

「『急に右の下っ腹が痛くなった』と言って受診する人は多いですが、『急に痛くなった』と言う人は、たいてい違います。さらに、自分で『盲腸?』と診断する人も、ほぼ100%虫垂炎じゃないですよ」

では、本当の虫垂炎は、どんな症状なのでしょうか?

「虫垂炎は炎症なので、数時間から数日かかるのが一般的です。そのため痛みの前に、風邪っぽいとか、みぞおちあたりが痛いとか、モヤモヤする、食欲がない、お腹が張る、微熱(子どもの場合は高熱)があるといった前駆症状があるケースが多いんですよ」

虫垂炎の診断は診察と血液検査だけでは難しく、個人のクリニックや医院ではCTなどの検査ができないため、「虫垂炎の可能性がある」と診断されたものでも、実際に虫垂炎である場合は半数ぐらいだそうです。

また、逆に実際に虫垂炎の場合にも、個人のクリニックなどで「風邪」「胃腸炎」と診断されて帰された後、発覚するケースもあるということです。

正確な診断は超音波やCTなどの検査が必要ですが、前駆症状を見逃さないことも重要です。




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