2011年12月09日

アルコール依存症の治療 その1

◆断酒

治療の基本は断酒です。飲酒量を減らすのではなく、飲まないことが重要です。

再び飲酒を始めると、ほぼ間違いなく、元のひどい飲み方に戻ってしまうため、生涯断酒を続けなければなりません。

高齢者の場合は、断酒の成功率がほかの年代と比べて高いという特徴があります。

成功しやすい理由の一つに、断酒の必要性を理解して実践できることがあげられます。

高齢者の患者さんの多くは、退職するまで社会の中で何らかの役割を果たしており、自己コントロールをしてきた人たちといえます。

入院中に自身の健康のために断酒が必要であるということを学ぶと、それに向かって努力をする人が多いのです。

そのほか、加齢によって飲酒への欲求が減ってくることや、仕事の付き合いで飲むといった飲酒の機会が少なくなっていることも、高齢者が断酒しやすい理由といえるでしょう。

再び飲酒してしまうタイミングで多いのは、退院直後です。

退院したからといって気を抜かずに、断酒を続けることが重要です。また、断酒を続けるには、家族や職場の仲間など周囲の人々の理解とサポートが欠かせません。