2012年01月27日

がん予防最前線 その9

生活習慣とがん その4

◆感染症

日本の研究・報告では、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)が胃がんのリスクを上げることは“確実”、B型およびC型肝炎ウイルスが肝がんのリスクを上げることは“確実”と評価されています。

ヘリコバクター・ピロリは、胃の粘膜下に住み着く細菌で、持続感染すると炎症を起こし、胃がんのリスクを上げると考えられています。

抗菌薬による除菌は、早期の胃がん患者の再発予防に有効です。

感染している場合は、除菌するのも一つの方法ですが、健康な人が除菌した場合のことはまだよくわかっていません。

感染の有無にかかわらず、禁煙、食生活の注意、毎年胃がん検診を受けることなどが勧められます。


B型およびC型肝炎ウイルスの感染者は、感染していない人に比べて、肝がんのリスクが高くなります。

日本では、肝がんの患者さんの約9割がいずれかのウイルスに感染しています。今はウイルスを排除したり炎症を抑える治療によって、肝がんのリスクを下げることができます。


ヒトパピローマウイルスは子宮頸がんの原因になるため、検診を受けましょう。若いうちにワクチンを接種することが勧められますが、全てのタイプのヒトパピローマウイルスに有効なわけではないので、接種後も子宮頸がん検診を受けることが必要です。