2012年02月07日

正しく知ろう放射線とがん その5

線量とがんのリスク その2

◆100mSv以下の場合

被爆した線量が100mSv以下の場合には、通常の場合よりがんのリスクが高まるかどうかはわかっておらず、様々な意見が出されています。

例えば、線量が少ないと、傷ついた遺伝子を修復したり、発生しかかったがんを排除したりする体の防衛反応が十分に働いて、リスクは高くならないという考え方もあります。

一方、線量がゼロにならないとリスクもゼロにならないと仮定すると、10mSvのリスクは1.005倍に、東日本大震災の「計画的避難区域」設定の年間累積線量の基準である20mSvのリスクは1.01倍になります。これらの値は、統計学的には、はっきりと検出できない値と考えられます。



※線量とがんのリスクまとめ
1000mSvの被爆:過剰な放射線によるがんのリスクは約1.5倍
100mSvの被爆:1000mSvの1/10なので、がんのリスクは約1.05倍
20mSvの被爆:100mSvの1/5なので、がんのリスクは約1.01倍
10mSvの被爆:100mSvの1/10なのでがんのリスクは約1.005倍