2012年03月29日

コレステロールとは その1

「コレステロール」と聞くと、“体によくないもの”というイメージを持つ人は多いでしょう。しかし、コレステロールは本来、細胞膜やホルモンなどの材料となる、体に必要不可欠な物質です。

コレステロールは脂質(あぶら)の一種で、食物から吸収されるほか、肝臓で合成されます。

肝臓で作られるコレステロールは、体内のコレステロールの約70〜80%を占めるとされ、食物から吸収されるものよりはるかに多いのです。

食物から吸収されたり、肝臓で合成されたコレステロールは血液によって全身の細胞に運ばれます。

ただ、脂質であるコレステロールは、そのままでは水が主成分である血液には溶け込めません。

そのため、コレステロールは、水になじむ粒子に含まれて、血液中を流れています。

この、コレステロールの“乗り物”となる粒子の代表が次の2つです。


◎LDL

コレステロールの“工場”である肝臓から、全身にコレステロールを運ぶという大切な役割を持っています。

しかし、LDLが血液中に増えすぎると、血管壁に入り込んでコレステロールが溜まり、動脈硬化が進んでしまいます。そのため、“悪玉”と呼ばれています。

LDLに含まれているコレステロールを、「LDLコレステロール」と呼びます。


◎HDL

全身の細胞で余ったり血管壁に溜まったりした、体内の余分なコレステロールを、肝臓に戻す働きをしています。そのため、“善玉”と呼ばれています。

HDLに含まれているコレステロールを「HDLコレステロール」と呼びます。