2012年09月03日

睡眠時無呼吸症候群 その3

なぜ呼吸が止まるの?

私たちは普通、あお向けになって寝ますが、あお向けになると重力によって舌の根元(舌根)が喉の方に落ち込みます。また、睡眠中は全身の筋肉が弛緩するので、喉の筋肉も緩みます。

その結果、気管の上部に当たる「上気道」が狭くなるのです。しかも、息を吸うときには、気管を閉じようとする力が働くので、上気道はさらに狭くなります。

ただ、こうした状態は誰にでも起こるので、これだけで上気道が塞がって呼吸が停止することはありません。睡眠時無呼吸症候群の発症には、「肥満」も大きく関与しているのです。

肥満の場合、喉にも脂肪や軟部組織がたくさんついているので、もともと上気道は狭くなっています。その状態であお向けになって睡眠状態に入ると、上気道はますます狭くなります。

すると、呼吸のたびに無理に空気がと売るので、いびきが起こります。こうした状態がひどくなると、上気道が完全に塞がって呼吸が止まるのです。

また、肥満のほかに、下あごが小さい場合や後退している場合も、あお向けになったときに上気道が塞がりやすくなります。

日本人にはあごが小さい人が多いので、肥満がなくても睡眠時無呼吸症候群になりやすいといわれます。実際に、日本では患者さんの約1/4には肥満がありません。