2010年06月19日

喫煙で膀胱がんのリスク増大 

膀胱がんは、年間約2万人が発症して約5000人が死亡しています。男性の発症は女性の約4倍。初期症状は血尿ぐらいで、相当進行しないと排尿障害などの症状は現れません。喫煙者は発症リスクが高いのでとくに要注意です。


【パンツと便座は白色】

典型的な症状は、痛みのない肉眼で確認できる血尿ですが、膀胱炎などでも血尿は出るので必ずしも膀胱がん特有の症状というわけではありません。

ただし、肉眼で確認できる血尿で受診する人の約10人に1人の割合で膀胱がんが見つかるので、早期受診で確認することが大切です。

「発症年齢は平均65歳。血尿を見落とさないために一番いいのはパンツ(下着)と便器は“白色”にすること」

と、慶應大学病院・泌尿器科の菊地栄次講師はおっしゃっています。

女性の場合は、なかなか治らない膀胱炎症状にがんが隠れていることがあるので要注意ということです。


【喫煙でリスク増大】

とにかく発症リスクを減らすことが大事です。要因で最も悪いのはタバコ。吸わない人に比べて喫煙者の発症頻度は4−5倍高く、死亡率も約2倍高くなることが分かっているといいます。

「タバコと膀胱がんの関係を意外に思う人が多いが、タバコの代謝産物が尿に溶け出して膀胱壁を刺激する。喫煙者のがんは大きくて多発する傾向がある。膀胱がんは禁煙である程度予防が可能なのです」(菊地講師)

トイレに行くたびに尿の色の変化に注目することも大事です。



★「膀胱がん」チェックリスト

□血尿が出たり、出なかったりする

□尿に血のかたまりが出た

□尿の色がワイン色や赤い色をしている

□膀胱炎がなかなか治らない (女性の場合)

□血尿以外に痛みなどの症状がない

□健康診断で血尿を指摘された


※1つでも該当するようなら精密検査を受けることをおすすめします。

リスト作成:慶應義塾大学病院・泌尿器科/菊地栄次講師