2011年02月11日

大腸がんの手術

結腸がんと直腸がんで方法が異なる

内視鏡によって切除できない大腸がんに対しては手術が行なわれます。「腹腔鏡手術」や、肛門を温存する手術など、患者さんの体にかかる負担が軽い方法が検討されます。


◆腹腔鏡手術

おなかに小さな孔を数ヶ所開け、「腹腔鏡」と手術器具を挿入して行なう手術です。

内視鏡治療が難しい早期の結腸がんが対象でしたが、最近ではある程度進行した結腸がんや直腸がんでも行なわれる場合があります。

傷跡が小さいため手術後の痛みは軽く、回復も早いため入院期間は短くなります。ただし、手術時間は開腹手術よりも長くかかります。

また、高度な設備や技術が必要である為、実施できる医療機関は限られています。


◆手術方法

大腸がんの場所によって、手術の方法が異なります。


☆結腸がん

がんの両側10cm程度の大腸とともに周囲のリンパ節と血管を切除します。大腸は1.5〜2mの長さがあるため、20cm程度切除しても患者さんの体への影響はほとんどありません。

☆直腸がん

直腸の周囲には「膀胱」「子宮」「卵巣」「前立腺」などの臓器や、排尿・排便機能や性機能を司る「自律神経」が多く集まっています。

手術の際にこれらの臓器や自律神経が傷つくと、「排尿障害」や「性機能障害」などの後遺症が起こることがあるため、結腸がんよりも注意が必要な手術です。

できるだけ肛門を温存し、手術後の患者さんの生活の質を保つ方法が選択されます。