2011年02月25日

声帯ポリープ

◆声帯の振動によって声が出る

私たちは普段、喉頭にある「声帯」を使って声を出しています。声帯は左右で対になっていて、息を吸い込むときは逆V字形に開いて空気を通し、発声時には閉じています。

声は、肺から吐き出される息が閉じた声帯の隙間を通り抜け、声帯を振動させることによってつくられています。

声帯の振動は非常に高速で、通常の会話では、男性で1秒間に100回ぐらい、女性では1秒間に250回ぐらい振動しているといわれます。つまり声を出すことによって、声帯には日常的にかなりの負担がかかっているのです。

そこに、大きな声を出し続けたりして声帯を酷使することにより、さらに大きな負担がかかると、声帯に炎症がおこることがあります。すると、声がかすれたり、出しにくくなったりします。

声帯とは、ウクレレやギターなどの弦楽器における弦のようなものだといえます。楽器の弦に異物が触れていると、弦は振動せず楽器はうまく鳴りません。声帯も同じで、「ポリープ」などの異物が声帯に生じると、声のかすれが起きたり、声が出しにくくなったりするのです。


◆ポリープの種類

声帯の慢性的な腫脹(腫れ)を伴う炎症は、“のどのポリープ”と総称できますが、これは「声帯ポリープ」「声帯結節」「ポリープ様声帯」の3種類に分けることができます。


◎声帯ポリープ

声帯の毛細血管が内出血を起こして、こぶ状に腫れるもので、大きな声を出したときなどに、声帯に急に負担がかかって起こります。かつては男性に多いといわれていましたが、最近は男女差はあまりないとされています。


◎声帯結節

声帯の使いすぎによって、声帯の一部に“ペンだこ”のようなしこりができます。女性や学童期の子供、歌手などに多く見られます。


◎ポリープ様声帯

声帯全体がむくみ、腫れあがった状態になります。喫煙歴の長いヘビースモーカーに多く、喫煙と関係が深いといわれています。