2011年03月01日

声帯ポリープの治療

沈黙療法などの「保存療法」と「手術」がある

◆保存療法

保存療法には、「沈黙療法」「薬物療法」「音声療法」があります。

・沈黙療法
声を出さないようにして、声帯を休め、回復を目指します。

・薬物療法
ステロイド薬や消炎鎮痛薬の吸入によって、炎症を鎮めようとするものです。

・音声療法
言語聴覚士の指導を受け、声の出し方を矯正してのどにやさしい発声法を身につけます。最近はこのような“声のリハビリテーション”の分野で、言語聴覚士を含めたチーム医療も広がってきています。

ただし、保存療法は2〜3ヶ月続ける必要があるうえ、完治しない可能性もあるため、職業上の理由などで早く治したいという場合は、手術が適しています。


◆手術

「喉頭顕微鏡下手術」が行なわれます。これは、全身麻酔をしたうえで、手術用の内視鏡を鼻やのどから送り込み、顕微鏡で拡大した画像を医師が見ながらポリープを切除する手術です。

手術時間は数分から1時間程度、入院期間は2〜3日です。手術後1週間は声を出さないようにしますが、3〜4週間たてば歌手の人も仕事に復帰できます。


◆受診するとき

誰でも風邪をひいたり、大声を出したりしたときは、声がかすれることがありますが、通常は自然に治っていきます。

ところが、なかなか治らず、気になる症状が3、4日から1週間続くような場合は、風邪などではない可能性もあります。耳鼻咽喉科や喉頭に詳しい医師のいる医療機関を受診してください。

また、手術を希望する場合は担当医に相談してください。


◆のどをいたわる生活を

治療後は、次のことに気をつけます。

・環境を整える
乾燥は声帯に負担をかけるので、空気が乾燥しているときは、加湿器を使ったり、ぬらしたタオルを部屋にかけておくことなどで、感想を防ぎましょう。

また、たばこの煙は声帯に負担をかけます。喫煙者は禁煙し、ほかの人が吸うたばこの煙にも注意しましょう。

・声の出し方に注意
無理をして大声を出したり、カラオケで歌いすぎたりするのは避けましょう。