2011年05月15日

エイズとは  その1

症状のない時期に免疫細胞の破壊が進む

「エイズ」(*1)とは、「HIV」(*2)と呼ばれるウイルスに感染して起こる病気です。主な感染経路(*3)は、「性行為」「注射針の共用」などです。

HIVに感染すると、一時的に「発熱」など、風邪のような症状が起こることがあります。しかし、この時期に感染に気づくことはほとんどなく、その後、次のような経過をたどります。


・無症状の時期(無症候期)

症状はなくても、体内でHIVが増殖し、それに伴い徐々に免疫細胞が破壊されていきます。従来、この期間は、数年から10年ぐらいといわれていましたが、最近は、3〜4年に短縮しているという報告があります。


・エイズの発症

免疫細胞の破壊が進み、免疫力が一定のレベル以下に低下すると、健康な人なら起こすことのない、様々な感染症や悪性の病気(*4)が起こります。この状態をエイズといいます。



(*1)・・・後天性免疫不全症候群。英語の「Acquired Immunodeficiency Syndrome」を略して「AIDS」といいます。

(*2)・・・ヒト免疫不全ウイルス。英語の「Human Immunodeficiency Virus」の略

(*3)・・・ほかに「母子感染」がありますが、予防が可能です。また、日常生活で感染することはありません。

(*4)・・・「カンジダ症」「ニューモシスチス肺炎」などの感染症や、「悪性リンパ腫」などの悪性腫瘍などが合併します。